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Information & Column
外から見える耳、つまり耳介は、左右にあり、音を集めるパラボラアンテナのような役目を持っています。軟骨と皮膚から作られていて、少し外へ突き出したような形をしています。皮下組織は薄く、血管が少ないため、寒冷にさらされると容易に凍結し凍傷になってしまいます。凍傷は冬山で遭難した人の手足に生じるばかりでなく、我々の身近でも起こります。スキー、スケートやスノーボードに行くときに、格好ばかり気にして、帽子もかぶらず、耳あてもしないで2,3時間も滑ると、耳が冷たくなり、痛くなり、ついには感覚が無くなってしまいます。家に帰ってから真っ赤に腫れたり、水膨れになった耳を見ることになります。決して、スキー場などの山でばかり起こることではありません。終バスに乗り遅れ2時間歩いて家まで帰った男子高校生が、ぱんぱんに両耳介を腫らして来たこともありますし、30分位外を歩いていたOLさんが耳の上の方が少し痛いと言って来た時、耳介の先端が凍傷になっていたこともあります。どちらも帽子、耳あてはしていませんでした。
凍傷は、火傷と同じように、その程度により1度から4度に分けられます。1度は、赤くなり、さらには、紫色になり少しぷよぷよ腫れ、かゆみまたは軽いしびれ感や痛みがでます。軟膏を塗ることでほぼ正常の皮膚に戻ります。2度は、水膨れや血膨れになり、皮膚が剥げ、かさぶたがつきます。軟膏を貼布して創部の安静を保つことで時間はかかりますが、ほぼ正常の皮膚に戻ります。3度は、皮膚が壊死(組織が崩れてしまうこと)に陥り、感覚が無くなってしまいます。さらに軟骨が融けて変形したり、無くなってしまう重篤なものを4度と呼んでいます。通常、診るのはせいぜい、2度止まりですが、帽子や耳あてで予防できることなので残念です。東京などの暖かい所から発信された冬のファッションにばかり眼が向いて、自分の身体も守れないようでは、マイナス20度にまでなる旭川に生きる人間としては失格です。むしろ、老若男女を問わない、機能的な美しさを持つユニークな帽子や耳あてなどの冬のファッションを、旭川から日本全国や世界に発信しては如何がでしょう。厳冬の中、油断していて耳介が痛くなったら、耳の形を守るためにもすぐにいらして下さい。