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鼻の手術 その2

鼻の手術には、(1)鼻の中を流れる空気の通りを良くする手術と(2)副鼻腔との交通をつける手術に大きく分けることができます。前回お話しした鼻茸(鼻や副鼻腔の粘膜のポリープ状の肥厚)を取る鼻茸切除術と、鼻の中央にある衝立(ついたて:鼻中隔)が曲がっていたら真っ直ぐにする鼻中隔矯正術、鼻アレルギーで腫脹した粘膜を切除する下甲介粘膜広汎切除術などが(1)に含まれます。私が外来で行っているCO2レーザーによる下甲介粘膜燒灼術も結果的には(1)に含まれます。鼻中隔矯正術は鼻中隔を構成している軟骨と骨が曲がっている時に、飛び出ている軟骨と骨を削って摘出する手術で、局所麻酔、全身麻酔どちらでも可能な手術です。(2)は主に副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞など)の炎症に対する手術で、いわゆる”蓄膿”の時に、貯まっている膿を外にだし、炎症を起こしている粘膜を切除するとき行われている手術です。(2)には鼻の穴からする手術(鼻内手術)と上唇の裏から上顎の前の骨を削って副鼻腔へ入り副鼻腔の粘膜をきれいに取り除く手術などがあります。また、前頭洞(眉間にある副鼻腔)の手術は眉毛の内側から鼻に添って顔を切開して骨を削ることがあります。このような鼻の手術は、大体入院を必要とします。なぜなら、鼻は三叉神経の支配領域で痛みが強く、手術中に骨を操作すると大出血が起きやすい所だからです。手術中、手術後の出血に対して迅速に対応するために、安全を考慮して入院治療を基本としています。最近、内視鏡を利用した鼻内手術だけで副鼻腔炎治療に良い成績が上がるようになってきました。この手術は、鼻の中をファイバースコープで、よく観察しながら鼻の中からだけする手術侵襲が少なく、局所を拡大して良く見ながらできるので安全です。鼻内からだけ、副鼻腔との交通を付けますので、入院期間も従来に比較して短くなります。また、鼻の手術で特に気を付けなければならないのは、眼や頭に近いため、失明や眼の動きが悪くなったり、髄膜炎を起こす危険があることです。外来でもできる手術は、局所麻酔でできるもので、小さな鼻茸の切除や、鼻アレルギーに対するレーザー治療などです。何か疑問があったりご相談がある方は、早めに私共受診されることをお勧めします。(9月、98)私が使っている炭酸ガスレーザーは薄く鼻の粘膜表面を飛ばす(蒸散させる)ことによって、アレルギー反応の場所を減らし、結果的にくしゃみ、鼻水、鼻づまりを取り除くものです。麻酔液を浸した小さなガーゼを鼻に入れることさえできれば、手術はほとんど痛みがなく、小学校中学年以上であれば可能です。アレルギーの薬を飲みたくない人や薬が飲めない人(妊産婦など)には現在の所、最良の治療です。症状の改善が認められなければ、何度でもできる手術なので試してみる価値はおおいにあります。御希望の方は、当方までご連絡ください。