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Information & Column
記録的な真夏日が続き、本州から涼を求めて来た観光客には摂氏33、34度の旭川に期待が外れたかもしれません。この季節に風邪をひくわけがないと思っていると大間違いです。のどの痛みで来科される患者さんは意外と多いのです。子供に多いのは溶血連鎖球菌(いわゆる、ようれんきん)よる扁桃炎や各種ウイルスによる咽頭炎で高熱や咽頭痛の症状が目立ちます。このところ流行っていたのはのどや扁桃に小水泡や浅い潰瘍を作り40度を越す発熱と痛みの激しいヘルプアンギーナとよばれる病気です。食欲不振があり水分を取れないと季節がらぐったりとしてしまいます。コクサッキーウイルスA群の感染症で、のどを見れば診断がつくことが多く、熱や痛みをとる対症療法でよくなる予後良好な病気です。3-4日症状のきつい時にどのように乗り切るかが問題となります。いづれも保育園や学校で集団的に発生することもありますので予防が肝心です。暑いとプールに行きたくなるのは子供ばかりではありません。水温が上昇するとプール内の雑菌も増え眼やのどの炎症をひき起こします。くれぐれもプールの後の眼洗いやうがいは忘れないように注意をしてください。おとなでも夏風邪と称するのどの痛みや発熱を経験します。子供と同じような原因もありますが、高い外気温とクーラーなどで冷やされた室内の温度差が刺激となり咽頭炎を起こすことがあります。また、暑さで体力が弱っているにもかかわらず、ビールだ、タバコだ、カラオケだと夜更かしが過ぎると発熱、咽頭痛、摂食不良となり治療を受けなければなりません。単純な扁桃炎や咽頭炎と思われている中にも下咽頭浮腫や喉頭蓋炎などの重篤な病気が隠されているので油断は禁物です。大量のアルコールは免疫能を低下させ、タバコの煙は正常の粘膜をはぎ取り粘膜の防御能を低下させ、ウイルスなどの侵入を容易にしますので、体力が落ちている時は控えるのが得策でしょう。予防はどうしたらよいかといえば、特別なことはなく、十分な睡眠と規則正しい食事(高蛋白質、新鮮野菜、やや多めの水分補給など)、手洗いやうがいの励行などです。そうはいってもつい無理をしてしまい、のどが痛くなるのが現実でしょう。早めの治療でよくなりますのでこじらせないうちに、また、治りが悪いと思ったら、のどの奥までよく知っている専門医へおいでください。