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Information & Column
エルニーニョ現象が現われると太平洋高気圧の勢力が弱く、低温多雨になるため、翌年のスギなどの花粉飛散が少なくなるそうです。本州ではすでにスギ花粉症が始まっていますが、北海道では函館地方を除くとスギ花粉症の患者さんはあまりいません。そのかわり、北海道では北欧やカナダなどで多くみられるシラカンバの花粉症が春の樹木花粉症の代表として存在します。我々の研究結果から北海道、特に旭川周辺では雪解けを待つかのように大体4月下旬からシラカンバ花粉の飛散が始まります。雪解け宣言日以降にシラカンバ花粉の飛散することがわかっていますので、雪がまだ残っているうちから、抗アレルギー剤を2または4週間投与することによって、花粉飛散季節中の臨床症状を約70%軽減できることできます。三寒四温を繰り返すこの季節になると、花粉症を含めた鼻アレルギーを持っている患者さんの鼻粘膜は、かなり敏感になってきます。そのため、まだ花粉の飛ばない3月に入るころ頃から、寒暖の差だけでも症状(くしゃみ、鼻水、鼻つまり)が起こり始めます。この時期にはアスファルトが顔をのぞかせるので、冬季間の泥や凍っていた秋の花粉、蓄積したデイーゼル車からの排気物( DEP = Diesel exhaustive particles ) などが悪さをしているのかも知れません。私の外来ではCO2 LASER による鼻アレルギーに対する鼻粘膜の手術を行なっていますが、手術後の粘膜がおちつくまでに2から4週間かかりますので、LASER を用いた花粉症の季節前治療を希望の方は早めに御相談下さい。症状が始まってしまえば、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などを服用し、さらに鼻の中に噴霧する局所噴霧剤を併用します。どんな薬でも良いというわけではありません。いろいろな薬がありますから、年令、症状、日常生活の支障度などを考え、その人にあった薬を選択して、不都合があれば変更しながら使っていただくようにしています。花粉飛散時期を健やかに暮らせるように、きめこまやかにお手伝いをするのが、アレルギー専門医(アレルギー学会認定専門医)の仕事です。「鼻が変だな」と思われる方は一度診察にいらして下さい。ひとりでも多くの患者さんが花粉飛散の季節を最小限の治療で健やかに過ごすことができるようにお手伝いするのが私の使命です。