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声・のどに関するコラム
喉頭の話

今回は喉頭(こうとう)の話をします。喉頭は、気道の一部分であると同時に、発声と嚥下(えんげ;物を飲み込むこと)に関係します。喉頭の内側、気道の一番狭いところが声門と呼ばれ、声を出す声帯があります。左右の声帯が閉じたすき間を空気が通る時、よくふるえると声となります。ヒトは声帯の長さや緊張度を変えることによっていろいろな音色の声を出すことができます。そこにポリープや腫瘍ができれば、声帯がうまく閉じられなくなったり、ふるえが悪くなったりして声が嗄れます。煙草の吸いすぎやカラオケの歌い過ぎ、長く続く咳などで声帯を酷使しても声がかれます。炎症やポリープなどでは、しばらく声を出さないでいると治ってくることがあります。でも、しわがれ声が治らない時は、声帯にも悪性腫瘍ができることがありますので注意が必要です。早く症状に気がつけば、手術をしなくても治すことができます。進んでしまった腫瘍は声帯を使って出す声を犠牲にして、喉頭を手術的に摘出します。その後、練習が必要ですが食道を使った発声法などがあり、第二の声でコミユニケーションをとることになります。また、私たちがむせないで物を飲み込めるのは、嚥下(ゴックンする)時に喉頭が上にあがり気道をふさぎ、食道の入り口が反射的に開き、物が食道に入っていくからです。老化がはじまり、咽喉の反射が少し鈍くなってくるとむせたり(誤嚥)、のどつまりが起こってきます。若い人でもむせることはありますが、気道に入った異物(食べ物など)は咳反射で外に出してしまいます。いつも飲み込みづらい時は何回か飲み込む動作を繰り返してください。それでも治らないときは、喉頭の周囲や食道の入り口に腫瘍があるかもしれません。喉頭は外から触ることができますが、見ることができないので、診察するのも専門的な知識と道具がいります。逆にいえば、私たち耳鼻咽喉科医にとっては、見てわかる病気が多いので、あれこれ悩むよりは、専門医の診察を早めに受けることをお勧めします。