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耳に関するコラム
耳飾りについて

 女性の耳飾りでひと世代前にイヤーリング(英語ではclip-ons)といっていたものが、耳朶(みみたぶ)に穴を開けて付けるピアス(英語ではear-rings)に取って代わりつつあります。歴史をひもとけば、日本の古墳時代の遺跡や古代エジプトのピラミッドからもたくさんピアスが発掘され、昔から世界的な装身具であったようです。観音様や鎌倉の大仏様など色々な国の仏像や彫刻にも見ることができるように、昔から男女を問わず用いられたようです。現在では、全世界的に老若男女がつけているようです。日本での流行は最近になってからで、今ではローテイーンの男女から中ー壮年の方まで幅広く付けています。15年位まではアクセサリー屋さんが、サービスで耳に穴を開けていたようです。勇気のある方は、耳朶を冷たく感覚がなくなるまで冷やして、後ろに大根をおいて太い針で刺して開けるというのを聞いたことがあります。いずれも未開人がやっていたのと大差はなく、不衛生で、血清を介した病気(血清肝炎やエイズなど)になる可能性があります。医師の手による医療行為となったのはつい最近のことです。だれがやっても良いのですが、始めに入れるファーストピアスの時は無事にできても、いろいろなトラブルが生じます。たとえば、ピアスを引っ掛けて血が出たり、化膿して膿が出てきて穴が塞がったり、ひどくなれば膿瘍になってしまうこともあります。皮膚が過敏であれば、金属による接触性の皮膚炎を起こすこともあります。ぐちゃぐちゃになったのを治すより、耳鼻咽喉科専門医の私自身が入れる方が、かなりのトラブルを避けることができると考えて、開院以来からピアスを扱っています。耳ならどこに刺しても良いというものではありません。皆さんが一番希望される耳朶は痛点も少なく、刺入によるトラブルは少ないようです。但し、耳朶の厚さや皮膚によって入れるピアスの長さや材質を選択する必要があります。また、耳(耳介)の上に行くほど、軟骨があり、もし、軟骨が傷つき炎症を起こすと軟骨膜炎を起こし耳介が変形してしまうことがあります。身体に貫通創を作ってするおしゃれですので、できるだけトラブルを避けたいものです。清潔に、安全に、そして、アフターケアを含めた専門的な対処をしておりますので、御希望の方、お悩みに方は是非ご相談ください。