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咳のはなし その2

急性の咳(咳嗽)は急性咽喉頭炎、急性気管支炎、急性肺炎などの炎症性の疾患で起こることが多いと思われます。急性のものは、原因となる炎症が落ち着いてくれば、自然に咳も収まってきます。今回は、止らない咳(慢性咳嗽)について原因を詳しく調べてみます。咳には啖がからむ湿性咳嗽と、啖がからまない乾性咳嗽とに分けられます。慢性の湿性咳嗽には、次のような疾患があります。

  1. 副鼻腔気管支症候群:気道粘膜の繊毛運動が障害されて、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)と気管支炎を併発します。耳鼻咽喉科的な治療を続けなければなかなか改善しない厄介な病気です。
  2. 後鼻漏:鼻汁が後ろに流れていくもので、炎症があれば黄色や緑黄色になり、アレルギーがあれば無色透明です。正常な人でも一日に700mlくらいの後鼻漏がありますが、病的に多くなったり、気になったりすると咳の原因になります。
  3. 慢性気管支炎:気管支の慢性炎症で、啖も多く排泄され、呼吸苦も伴います。老人に多く見られます。
  4. 限局性気管支拡張症:気管支が一部分拡張し、膿性の啖を多く喀出します。ひどい時は肺を切除してしまうこともあります。
  5. 気管支喘息:止らない咳の典型ですが、啖も多く、夜間就寝時に大きな発作を起こすと死につながりますので注意が必要です。
  6. 非喘息性好酸球性気管支炎:喘息と似ていますが、啖に好酸球が多くみられます。
  7. 肺癌:気管支の刺激症状として長く続く咳が初発症状のことがあり、注意が必要です。
  8. 気管支食道瘻孔:食道と気管支がつながっている病気で、唾液や食道内容物が少量気管支に流れ込み咳を起こします。あまり頻繁にはお眼にかかることはない病気です。

このように、慢性の啖がからむ咳にもたくさんの原因があるので、確実な診断に至るまでには、いろいろな試行錯誤が必要になります。治療はそれぞれの原因を取り除く事が第一ですが、診断にそったお薬が処方される事が多いでしょう。最初に処方されたお薬がピタッと効くこともありますが、たとえ効かなくても、すぐに諦めないで、根気良く治療をすることが、大切です。もちろん、咽喉の粘膜を障害するような喫煙などはしばらく控えることは言うまでもありません。次回は慢性の乾性咳嗽についてお話しましょう。